テレアポの業務に携わる中で、つらさやメンタルの負担を感じることは少なくありません。特にアポイントが取れない日々や、ネガティブな言葉を受ける場面では、心が折れそうになることもあるでしょう。この記事では、そんな「テレアポがつらい!」とメンタルを病みそうなあなたに向けて、具体的な対処法と楽になるコツをお伝えします。
テレアポを極めると、一生くいっぱぐれる心配はありません。それだけ価値のあるスキルです。とはいえ、体調を崩してまでやることではないので、あまりに辛いときに取るべき行動についても解説しました。この記事が、あなたのテレアポ業務に少しでも役立ち、つらさを軽減する一助となれば幸いです。
テレアポがつらい理由
テレアポの業務を担当して、メンタルを病んでしまう人はあなただけではありません。テレアポがつらいのには、理由があります。
- 自己肯定感が下がる
- ネガティブな言葉を浴びせられる
- 単純作業の繰り返しに感じる
- ノルマのプレッシャーが凄まじい
- 同じ姿勢で座り続けることで血流が悪くなる
心当たりはあるでしょうか?それぞれの理由について、具体的に見ていきましょう。
アポイントが取れず自己肯定感が下がる
1つ目の理由は、アポイントが取れずに自己肯定感が下がり続けるから。テレアポ業務に携わると、当然のことながらアポイントの獲得を求められます。架電先が法人なのか個人なのか、法人なら業界によってもテレアポの難易度は変わるものの、テレアポという仕事自体が簡単にアポイントを取れる仕事と言い難いのは事実です。提案しても何度も断られてしまい心が折れ、ついには病んでしまう人も少なくありません。
さらにノルマとしてアポイント数やコール数を求められると、達成できないことにプレッシャーを感じてしまう人も多いですよね。あくまで顧客のお断りのほとんどは「営業はお断り」を意味しますが、上手くいかないことが続くうちに自己肯定感が下がり続け、自分の存在自体を否定されている気持ちになる人も多くいらっしゃいます。
クレームや暴言などネガティブワードを浴びせられる
テレアポ業務では、クレームや暴言を浴びせられることも珍しくありません。そうしたネガティブな言葉は誰であっても容赦なく、心を傷つけます。それに耐えられなくなってしまうのも、テレアポで病む人が多い理由のひとつです。断られるだけでなくネガティブな言葉を不意にぶつけられると、メンタルが弱っているときには特にきついものです。
自分はマニュアル通りに架電しただけなのに、クレームとも言えない文句を延々と聞かされたり、喋っている途中でガチャ切りされたりすることもあるでしょう。このように急に怒りの矛先を向けられたことに驚き、傷ついてしまうことは不思議ではありません。
電話をかける手が震え始めたら危険信号
さらに、これは私自身も経験したことがありますが、クレームや暴言を受ける頻度が高いと、次第に電話をかけること自体が恐怖になってしまうこともあります。電話を持つ手がブルブル震えるのです。電話をかける前から「また怒られるのではないか」「また暴言を浴びせられるのではないか」といった不安に繋がり、精神的な負担が増していきます。
このような状況が続けば、仕事に対するモチベーションは低下し、最終的にはメンタルを病んでしまうことも少なくありません。テレアポ業務は、顧客とのコミュニケーションが主な業務であるため、ネガティブな言葉を受けることが避けられない部分もありますが、そんなときは一度、テレアポ業務から離れた方が良いでしょう。
逃げ出しても良いのです。あまり簡単に投げ出せば成長はありませんし、意外と限界値は高いところにありますが、1日2日ゆっくり休んで、ふたたび立ち向かう気力が沸くのなら、いったん逃げましょう。
単純作業の繰り返しでモチベーションが下がる
テレアポ業務を担当すると、長時間に渡り電話をかけ続けることになります。多い時は1日に100件以上の電話をすることもあるものです。基本的に断られながらひたすら電話をかけ続けるため、単純作業の繰り返しとなってしまいストレスに感じる人もいます。
さらに多くの場合、会話の内容はトークスクリプトが準備されているため、同じ会話をし続けることになります。このため、同じことを繰り返すことが得意でない人は、モチベーションを保つのが難しく架電が苦痛になります。
特にコロナ以降、在宅ワークの増加に伴い、自宅で支給された会社携帯やWebシステムを使用して架電をするケースも増えました。オフィスで架電する際は、周りのスタッフと会話してストレスを晴らすことができても、自宅で1人で黙々と対応することにしんどさを感じる人も少なくありません。自宅での作業は、孤独感や閉塞感を感じやすく、精神的な負担が増すこともあります。これらの要因が重なると、テレアポ業務に対するモチベーションを維持するのが難しくなり、結果としてメンタルを病んでしまうこともあるのです。
断られ続けることで、さらにモチベーションは下がる
テレアポ業務におけるメンタルの負担は、単純作業の繰り返しだけにとどまりません。断られることが多い業務であるため、先ほどお伝えしたように自己肯定感が低下しやすいのも一因です。毎日何十回、何百回と「いらない」「興味がない」と言われ続けると、自分の価値を見失いがちになりますよね。これが長期間続くと、自己評価が下がり、メンタルに悪影響を及ぼすことがあります。
また、テレアポ業務は成果が見えにくい仕事でもあります。営業成績が数字で示されることが多いですが、その数字が上がらないと、努力が報われないと感じることもあるでしょう。目標達成が難しい時期や、成績が思うように伸びない時期には、モチベーションを保つのが一層難しくなります。
さらに、テレアポ業務は対人コミュニケーションが中心であるため、コミュニケーションスキルが求められます。しかし、全ての人がこのスキルを持っているわけではありません。内向的な性格の人や、対人ストレスを感じやすい人にとっては、毎日の電話対応が大きなプレッシャーとなります。
ノルマのプレッシャーが凄まじい
テレアポの仕事でつらいと感じる理由の一つに、ノルマのプレッシャーが凄まじいことが挙げられます。テレアポの業務は基本的にノルマ(目標)が設定されていることが多く、例えば「1日に◯件のアポイントを獲得する」「1日に◯人の担当者に連絡を取り付ける」といった具体的な目標が課されます。これらの目標を達成しなければ、上司やリーダーからの指摘や叱責を受けることが多く、ストレスを感じる人も少なくありません。
テレアポは基本的に断られることが多い仕事です。場合によっては100件連絡しても1件もアポイントが獲得できないこともあります。このような状況でノルマを達成するのは非常に難しく、達成できないことが続くと自己肯定感が下がり、メンタルに大きな負担がかかります。ノルマが厳しい会社では、達成できないことが続くと「自分はダメな人間だ」と感じてしまい、鬱を発症してしまうケースもあります。
誰かに相談すること、必死でスキルを高めることで乗り切る
とはいえ、どのような仕事でもつらいことはあります。ノルマのプレッシャーがきつければ、まずは上司やリーダー、あるいは業界の専門家に相談してみることが大切です。ノルマの設定が現実的でない場合や、達成が難しいと感じる場合は、その旨を伝えて調整をお願いすることも一つの方法です。
また、テレアポのスキルを向上させるために、上手な人のテクニックを学んだり、トレーニングを受けたりすることも有効です。テレアポのスキルは、きちんと学べば、誰でも上達します。あとで詳しくお伝えしますが、テレアポができるようになると、一生くいっぱぐれる心配もありません。もちろん、ノルマの達成なんて簡単になってきます。誰からに相談したり、スキルを高めることで、プレッシャーから解放されるのは意外と楽なのです。
同じ姿勢で座り続けることで血流が悪くなる
テレアポは1日中椅子に座って架電するため、予想以上に腰を痛めやすいです。外回りのように体を動かす機会が極端に減るため、体が凝り固まってしまいます。断られ続けるメンタルのきつさに加えて身体的なダメージも重なると、テレアポへのつらさは増してしまうでしょう。
なお、長時間座り続けることで、全身の血流や筋肉の代謝が低下し、健康に害を及ぼす危険性があるといわれています。具体的には、次のようなリスクが指摘されています。
- 寿命が短くなる
- 肥満度が高くなる
- 2型糖尿病や心臓病などの生活習慣病の発症リスクが高くなる
- 心筋梗塞や脳卒中などの脳血管疾患の発症リスクが高くなる
- 大腸がんや乳がんなどの発症リスクが高くなる
- 認知症などのリスクが高くなる
こうしたリスクをとってまで、同じ姿勢で座り続けることはありません。定期的に休憩を取ったり、1時間に1回は立ち上がって軽いストレッチをする、屈伸運動をするなどの工夫が必要です。全身の血流を促進し、筋肉の緊張を和らげましょう。
また、座り方を工夫するのも意識してください。正しい姿勢で座ると、腰痛や肩こりの予防に効果的です。背筋を伸ばし、足をしっかりと床につけることを意識しましょう。椅子の高さやデスクの位置も調整し、自分に合った環境を整えることが大切です。
職場環境を変えることも検討する
それでも改善が見られない場合は、職場環境を見直すことも考えましょう。例えば、スタンディングデスクを導入する、定期的に立ち上がって歩く時間を設けるなど、働き方そのものを変えることも一つの方法です。
もし、これらの対策が難しい場合や、職場がそれを許さない場合は、転職を考えることをおすすめします。健康は何よりも大切です。命を削ってまで、テレアポをする必要はありません。無理をせず、自分に合った働き方を見つけることの方が長い目で見れば重要です。
テレアポがつらいときの対処法
テレアポ業務をつらいと感じたと感じたら、次の3つを試してみてください。つらい理由別に大別してお伝えします。
断られ続けてつらいときは、自分のせいにしない
断られることが前提と分かっていて電話をかけても、話に応じてすらもらえないことがメンタルを消耗させます。わかってはいても、精神的にきついものがあるでしょう。まずテレアポは「断られて当然」といった前提、と明確にわりきることが大事です。そうしないと、精神的にどんどんきつくなります。
繰り返しになりますが、テレアポは基本的に断られることが多い仕事なのです。ということは、あなたの能力や努力が足りないわけではなく、単に顧客のニーズやタイミングが合わないだけ。あなたのせいではありません。断られることを個人的に受け取らないように心がけましょう。断られることが続くと自己肯定感が下がりがちですが、これはテレアポの特性であり、あなたの価値を否定するものではありません。
繰り返します。あなたの価値を否定するものではないんです。
ノルマに追われてきついときは、成長できる絶好のタイミング
ノルマからの解放は、意外と簡単です。アポ獲得率をアップさせればいいからです。「わかってるけど、それができないんだよ!」と怒られるかもしれませんが、あなたのテレアポスキルを向上させる方法は、無数にあることをわかってください。最も汎用性が高いのは、テレアポの上手な人を何から何まで真似すること。話し方やトークシナリオはもちろん、電話をかける前にやっているルーティンや、リサーチ、準備。すべてを真似すれば、かならず成績は上がります。そう、必ずです。たとえば、下記のような教材を試してみてください。
また、あまりにノルマがきついときは、上司や先輩に相談してみるのも一つの手です。自分の能力に見合わない設定は、会社にとっても、個人にとっても良いことはありません。なかなか相談しづらい環境があるかもしれませんが、思いきって相談してみることで、具体的なアドバイスやサポートを受けられることもあります。柔軟な会社であれば、ノルマの基準を下げて、徐々に上げていくようなロードマップを示してくれるでしょう。何より、継続して働いてくれることの方が会社としてはありがたいのですから。
いずれにしても、ノルマのプレッシャーを乗り越えるための行動はあなたを大きく成長させてくれます。よほどメンタルがきつくない限り、成長するための好機と考えて挑戦することをお勧めします。
単調作業がつらいときは、ひとつひとつの業務を深堀りする
テレアポという作業そのものは同じでも、かけている相手は毎回違います。相手ごとに、どのようにトークするか。スクリプトにまとめたり、心理学を勉強したりすると、単調作業から、ある程度脱出することができます。実際、テレアポのスキルというのは奥が深く、さまざまな要素で成り立っています。
たとえばマーケティングを学ぶこともできるし、商品戦略や心理学、脳科学、データ解析、トーク術、業務効率、さらに大きな視点で見ると経営も学べるはず。商材にもよりますが、たった1本の電話で、相手の人生を変えることになるかもしれません。単純作業ととらえて電話をかけるか、業務を分解してスキルを深めるか、その姿勢ひとつで、あなた自身の人生が激変するのはおわかりいただけるのではないでしょうか。
テレアポは心理学や脳科学の実験場
私自身の学びを踏まえて共有しましょう。テレアポの単調さに疲れたなと感じたら、心理学や脳科学のテクニックを取り入れてみてください。たとえば、「ドア・イン・ザ・フェイス」。最後に「ドア・イン・ザ・フェイス」です。これは最初に大きな提案をし、その後徐々に手を出しやすい提案に下げていくことで、最終的に実際に希望する提案を受け入れてもらいやすくするテクニック。人は大きな要求の次に小さな要求を提示された時、「それくらいならまぁいいか」という心理が働きやすくなります。たとえば、最初に一番高額なプランをすすめ「それはちょっと……」と言われたら、「ご予算はどのくらいですか?」と尋ねます。相手が予算を答えたら、それに見合ったプランを提案することで、最終的に希望する提案を受け入れてもらいやすくなります。逆に、最初から最安値のプランをすすめると、次に進めるプランがなく話を深めることができません。
こうした心理学の学びを、テレアポであればすぐに試すことができるでしょう。脳科学にも役立つ知識はたくさんあるので、実験する気持ちで遊びながらテレアポ業務をすると、案外、楽しいものです。しかもあなたのスキルはそれにより、どんどん向上するばかりか、心理学や脳科学をセールスに生かせるようになると、ビジネスのあらゆる場面で応用可能になります。
営業に使える心理学テクニックについては下記の記事にまとめたのでご覧ください。
テレアポのつらさを乗り越えることのメリット
まず前提として、精神的に追い詰められるほどテレアポが辛いなら、無理に続ける必要はありません。同じ姿勢で長時間座り続けるのも健康に良くありませんし、そうした状況を強いる会社では、転職を検討すべきでしょう。
ただ、テレアポがつらく感じても続けなければならない理由がある方もおられるでしょう。また、テレアポを極めることでその価値に気付く方もいるかもしれませんね。実際、テレアポができるようになると、このAI全盛時代において希少価値が高まり、仕事の単価がはね上がる可能性があります。
ほんの半年~1年ほど必死になって頑張れば、一生役立つスキルとなり、あなたの人生を豊かにするかもしれません。私自身がその証明です。最後に、テレアポを続けることで得られるメリットを紹介させてください。
テレアポは、一生くいっぱぐれないスキル
テレアポは時代の流れに応じてトレンドが変わるものの、成果を上げるための基本的な原則は変わりません。このコツを掴むことで、一生使えるスキルが身に付きます。
例えば、テレアポに必要なスキルを分解すると、
- お客さんのリサーチ=マーケティング
- 商品の強み分析=商品戦略
- トークスクリプトの作成=セールスライティング+心理学・脳科学
- セールストーク=トーク術+クロージングスキル
このように、ビジネスで成功するために必要なスキルが詰まっています。これらを分解して、それぞれをしっかり学び、習得すれば起業しても怖くありません。また、AIが進化し、属人的なセールスが減るほど、テレアポや営業の価値は相対的に高まるでしょう。
ますます期待できる高い報酬
テレアポの一つの魅力は、給料や報酬が高いことです。固定給が高めに設定されている上に、歩合制を取り入れていることも多くあります。スキルをあげるほどに、報酬を期待できますし、もちろん、転職にも有利。
通常の正社員やパートアルバイトで高収入を得るには長時間働く必要がありますが、テレアポでは成果が給料に反映されるため、短時間で高収入を得やすくなります。効率よく稼ぎたい人にとって、おすすめの仕事と言えるでしょう。
また、どちらかというと、テレアポは避けられがちな業種なので、できる人が少なくなるほど、その専門性は際立ち、ますます価値が高まります。
柔軟な勤務時間
勤務時間を柔軟に選べるのも、テレアポの大きなメリットです。シフト制を採用している企業もあり、その場合は自分のライフスタイルに合わせて出勤時間を選べます。今は、自宅にいながら、空いた時間だけテレアポ業務をこなすフリーランスの活用も増えてきました。
家庭やプライベート、他の仕事と両立したい人にとって、テレアポは非常に魅力的な仕事ではないでしょうか。私自身、週の2-3時間しかテレアポの仕事をしていません。ほとんど別の仕事をしています。結果さえ出せば、収益はもらえますから、一般的な時給を考えると、非常に高単価です。
言葉遣いやビジネスマナーの習得
テレアポを続けることで、言葉遣いやビジネスマナーが自然と身に付きます。特に正しい言葉遣いは、テレアポを続けるほどに磨かれていきますし、コミュニケーション能力も向上するでしょう。人間はコミュニケーションによって、人とつながり、脳は幸せ物質オキシトシンを分泌します。コミュニケーションが上手な人ほど、しあわせになれるのです。
そうした意味では、テレアポのスキルは、幸せになれるスキルとも言えますね。もちろん他の仕事にも応用が効くので、習得しておくと後に別の業務に携わる際にも大きなアドバンテージとなります。
個人プレーで仕事を進めやすい
テレアポは基本的に個人プレーの仕事です。同僚や上司からサポートを受けることはあっても、チームでプロジェクトを進めることは少ないです。このため、他人に気を使わずに業務に集中できます。最低限の社内コミュニケーションは必要ですが、基本的には一人で黙々と仕事を進めることが得意な人にとって、テレアポは最適。
スキルを学べば成績に直結しますし、それは当然、報酬にもつながります。個人の力を強くして、生きていきたい人にとって、最高の仕事といえます。
まとめ
テレアポの仕事は、多くの人にとってつらいものかもしれません。しかし、そのつらさを乗り越えることで得られるスキルや経験は、あなたのキャリアにとって大きな財産となるでしょう。この記事を通じて、テレアポが辛い理由やその対処法、そして続けるメリットについて詳しくお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
テレアポは、一生使えるビジネススキルだと私は思います。健康を害してまで続ける理由はありませんが、つらさを乗り越えて、スキルを学ぶ意味は極めて高い。私自身、マーケティング、心理学、脳科学、セールスライティングなど、現在の暮らしを成り立たせているスキルの多くを、テレアポを通じて学びました。非常に応用が利くのです。
この記事が、あなたのテレアポ業務に少しでも役立つことを願っています。あまりに辛いときには無理をせず、適切な対処法を取り入れて、少しでも楽に業務をこなせるようにしてくださいね。あなたの成功を心から応援しています。