心理学を駆使して勝つ!電話営業/テレアポの新常識

電話営業やテレアポで商談機会を獲得するのは、決して簡単なことではありません。

特に、現代の消費者は多くの情報に囲まれ、営業電話に対する警戒心が高まっています。そんな中で、効果的な電話営業を行うためには、心理学の知識が欠かせません。

この記事では、電話営業の現状と課題を明らかにし、信頼関係を構築するための心理学、顧客に関心を持たせるための心理学、そしてアポ率を高めるための心理学について詳しく解説します。

本記事を通じて、電話営業における心理学の使い方やテクニック・コツを理解し、実践することで、商談機会を増やすことが期待できます。営業マンの皆さんが少しでも多くのアポ獲得率を上げ、成績を向上させるための一助となれば幸いです。

目次

電話営業/テレアポの現状と課題

電話営業で商談機会を獲得するのは決して簡単なことではありません。「毎日何百件も電話をかけているのに、話を聞いてもらうことすらできない……」とお悩みの営業マンも多いのではないでしょうか。

過去にもこんな報道を目にしました。2018年にアメリカで発生した「ロボコール問題」です。ご存じでしょうか?この問題は、電話営業の自動化が進む中で、消費者が大量の自動音声電話(ロボコール)に悩まされるようになり、問題になった事件です。

ロボコール問題の影響で、消費者の電話に対する不信感が増大し、電話営業やテレアポの効果を著しく低下させました。日本でも同様の消費者感情は蔓延したと思います。消費者は「また営業電話だ」と感じるとすぐに電話を切る傾向が強まりました。このような状況下で、営業マンが商談機会を獲得するためには、従来の方法だけでは不十分です。そこで、注目されたのが、電話営業に活用できる心理学。心理学を活用した手法が生み出され、一定の成果を上げているのではないかなと思います。

電話営業やテレアポに活用できる心理学とは?

詳細はのちにお伝えしますが、簡単にご紹介しましょう。営業ノウハウにおいては3つのパターンに分類して語られることが多いので、本記事でもそれに倣います。

  1. 信頼関係を構築するための心理学
  2. 顧客に関心を持たせるための心理学
  3. アポ率を高めるための心理学

これらのポイントを押さえることで、電話営業の効果を高めることができます。電話営業は確かに難しい面もありますが、適切なテクニックと心理学を活用することで、商談機会を増やすことができるでしょう。次回は、心理学を活用した具体的な電話営業のテクニックについて詳しく解説していきます。

信頼関係を構築するための心理学

電話営業に限りませんが、顧客との信頼関係の構築は非常に重要です。信頼関係が築けていない状態で商品やサービスの売り込みを行えば、失敗確率はグンと高まります。電話しても相手はすぐに電話を切ってしまうことでしょう。まずは見込み客としっかりと信頼関係を築くことが、アポ率の向上に繋がります。ここでは、信頼関係を構築するための心理学的テクニックを3つご紹介します。

パターンインタラプト

1つ目は「パターンインタラプト」。

これは、相手のパターン化している思考を邪魔する心理学的テクニックです。一般的に、受付担当者は営業電話だと気づいた瞬間に「また営業電話か」と感じ、早く電話を切りたいと思うものです。そこで、パターンインタラプトを使って、相手の思考パターンを崩すことが重要です。

たとえば「おはようございます、〇〇社の××と申します」と短く一言だけにすると、相手はすぐに営業電話だと判断できず、電話を切られる可能性が低くなります。

類似性の法則

2つ目は「類似性の法則」です。これは、共通点がある相手に対して親近感を持ちやすくなる心理効果です。多くの人は、出身地や趣味など、何かしらの共通点がある相手には警戒心が緩み、心を許しやすい傾向にあります。電話営業の際には、顧客に「この人とはフィーリングが合うかもしれない」と感じさせることが近道です。

具体的には、会話のスピードや声の大きさを相手に合わせる「ペーシング」、相手の言葉を繰り返す「バックトラッキング」、相手の仕草を真似る「ミラーリング」などのテクニックを使うと効果的です。

ザイオンス効果

3つ目は「ザイオンス効果」。

これは、相手との共有時間や接触頻度が多いほど、好感度や評価が高まる効果です。単純接触効果ともいいます。電話営業では、一度の電話で信頼を築くことは難しいため、何度か売り込むことなく、話をすることで相手に親しみを感じてもらうことがポイント。

法人営業の場合だと「お世話になっております。〇〇社の××です。〇〇の件でお電話を差し上げました。担当の××様はいらっしゃいますでしょうか」といった形で、何度も電話をかけることで相手からの認知度が向上します。

ただし、当然ですが電話のたびに売り込みを行うのは逆効果です。電話の目的を明確にし、相手にとって有益な情報を提供することに徹して、少しずつ信頼を得ていくことが大切です。


こうした心理学的テクニックを活用することで、電話営業における信頼関係の構築がスムーズに進み、アポ率の向上が期待できます。信頼関係を築くためには、相手の立場に立って考え、売り込みをせず、相手にとって有益な情報を提供するようにしましょう。

顧客に関心を持たせるための心理学

顧客に関心を持たせるための心理学は、電話営業やテレアポテクニックの見せ場です。信頼関係を築いた後に、自社の商品やサービスに対して顧客の関心を引き出すことが求められます。ここでは、ブーメラン効果、フレーミング効果、プロスペクト理論、バンドワゴン効果、ウィンザー効果の5つの心理学的手法を紹介します。

ブーメラン効果

まず、ブーメラン効果についてです。

これは、わかりやすく言うと、相手を説得しようとすればするほど、相手が強く反発するという心理的効果。人は自分の選択を尊重されたいと感じるため、強制的な売り込みは逆効果になります。電話営業では、売り込みの強い会話を避け、相手にとって有益な情報を提供することが大切です。たとえば見込み客が「最近このような悩みがあるんです」と話した場合、「そうなんですね。実は弊社の商品でその悩みを解消された例がございます」と具体例を中心に話すと良いでしょう。

ブーメラン効果を避けるためには、顧客の話をよく聞き、共感を示すことが大切です。顧客が抱える問題や悩みに対して、「それは大変ですね」と共感し、その後に解決策として自社の商品やサービスを提案することで、自然な流れで関心を引き出すことができます。

フレーミング効果

次に、フレーミング効果です。これは、同じ内容でも表現方法を変えるだけで、相手の受け取り方や印象が変わる心理効果です。例えば、「このコップには半分しか水がない」と「このコップには半分も水がある」という表現では、前者が水不足を、後者が水の多さを強調します。電話営業でも、ポジティブな表現を使うことで、顧客に魅力的に伝えることができます。たとえば「弊社の商品は90%のお客様から満足いただいております」と言うと、商品の魅力が伝わりやすくなります。

フレーミング効果を活用する際には、ポジティブな表現を心がけることがポイント。「この商品を使うと、こんなに便利になりますよ」といった具体的なメリットを強調することで、顧客に対して魅力的に伝えることができます。

プロスペクト理論

プロスペクト理論は、人が利益を得るよりも損を回避しようとする心理が強く働く理論です。電話営業では、「この話を聞くとお得ですよ」よりも「この話を聞かなければ損をしてしまいます」と言った方が、相手の関心を引きやすいということですね。たとえば「弊社サービスをご利用いただいた方から、『知らずにいると損をするところだった』と多くのご意見をいただいております」と伝えると、相手は話を聞く気持ちが強まります。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果は、自分の意見よりも周りの意見を頼りにする心理原則です。「はやっているから欲しくなる」「皆が持っているから欲しくなる」といった心理を利用します。電話営業では、「こちらの商品を利用している方の大半が」「多くの人にこの商品をお使いいただき」といったフレーズを使うと効果的です。具体的な数字を使うとさらに信ぴょう性が高まります。たとえば「弊社の商品は一か月で5000人を超えるユーザー様にお使いいただいており、そのうち90%以上の方がリピートされています」と伝えると、顧客の関心を引きやすくなります。

ポイントは具体的な数字や事例を用いること。「多くの人が利用している」「高いリピート率がある」といった情報を提供することで、顧客に対して安心感を与えることができます。

ウィンザー効果

最後に、ウィンザー効果です。これは、営業担当者の話よりも、利害関係がない第三者の情報の方が高い信ぴょう性を得やすいという心理効果です。電話営業では、「ご利用者様のアンケートによりますと~」といった第三者の意見を引用することで、相手を納得させやすくなります。営業担当者の意見だけでは説得力に欠けるため、客観的な情報を取り入れることが重要です。

ウィンザー効果を活用するためには、第三者の意見や評価を引用することが効果的。顧客の声やアンケート結果を紹介することで、営業担当者の話だけではなく、客観的な情報を提供することができます。

こうした心理学的手法を活用することで、顧客に自社商品やサービスに対する関心を持たせることができます。電話営業の際に、これらのテクニックを意識して取り入れてみてください。

アポ率を高めるための心理学

電話営業でアポ率を高めるにも、心理学は応用できます。見込み客と良好な関係を築き、商品への関心を高めた後に、以下の3つの心理学的手法を取り入れれば、高確率セールスが実現するかもしれません。

バーナム効果

まずは「バーナム効果」。

これは占いなどでよく使われる手法で、多くの人に当てはまるようなことを言われると「自分のことを言われている」と感じてしまう心理効果です。電話営業でこの効果を利用するには、相手との信頼関係を築くことが欠かせません。たとえば「毎月のスマホ代、高いと思っていませんか?」といった質問を投げかけることで、相手は「はい」と答えやすくなります。誰にでも当てはまりそうな話しからはじめ、「はい」という言葉を数多く引き出すことで、相手からの信頼を得られ、アポ率向上が期待できます。また、相手の名前を多めに呼びかけることも、親しみを感じてもらうために有効です。

バーナム効果を活用する際には、相手の反応をよく観察することが重要です。相手が「はい」と答えやすい質問を投げかけることで、会話の流れをスムーズに進めることができます。しかし、あまりにも一般的な質問ばかりだと、相手に不信感を抱かれる可能性もあるので注意してくださいね。ですので、相手の反応を見ながら、少しずつ具体的な話題に移行することが大切です。

オープンクエスチョン

次に「オープンクエスチョン」です。これは顧客から多くの悩みやニーズを引き出すことができる手法です。会話の方向性を相手に委ねるため、話しの幅が広がり、相手からより深い情報を引き出すことができます。例えば、「~はどう思われますか?」や「なぜ、そのような悩みをお持ちなのですか?」といった質問を投げかけることで、相手の本当の悩みを聞き出すことができます。これにより、自社製品でその悩みにこたえることができれば、顧客満足度が高まりアポ向上が期待できるのです。逆に、「このように思われているんですよね?」や「それは、こんな理由だからでしょうか?」といった質問は、相手の回答をこちらの思い込みで限定してしまうため、本音を聞き出すことが難しくなります。

オープンクエスチョンを使う際には、相手の話をしっかりと聞く姿勢が求められます。相手が話しやすい雰囲気を作るために、適度な相槌や共感の言葉を挟むと良いでしょう。また、相手の話を引き出すためには、質問のタイミングも重要です。相手が話し終わった後に、少し間を置いてから次の質問を投げかけることで、相手に考える時間を与えることができます。

ドア・イン・ザ・フェイス

最後に「ドア・イン・ザ・フェイス」です。これは最初に大きな提案をし、その後徐々に手を出しやすい提案に下げていくことで、最終的に実際に希望する提案を受け入れてもらいやすくするテクニック。人は大きな要求の次に小さな要求を提示された時、「それくらいならまぁいいか」という心理が働きやすくなります。たとえば、最初に一番高額なプランをすすめ「それはちょっと……」と言われたら、「ご予算はどのくらいですか?」と尋ねます。相手が予算を答えたら、それに見合ったプランを提案することで、最終的に希望する提案を受け入れてもらいやすくなります。逆に、最初から最安値のプランをすすめると、次に進めるプランがなく話を深めることができません。

ドア・イン・ザ・フェイスの手法を使う際の注意点として、最初の提案があまりにも大きすぎると、相手に拒否される可能性が高くなります。ですので、最初の提案は相手が「ちょっと無理かな」と感じる程度に留めることがポイント。また、相手が予算を答えた後には、その予算に見合ったプランを具体的に説明することで、相手に安心感を与えることができます。


これらの手法を効果的に活用するためには、日々の練習と実践が欠かせません。見込み客との会話を録音して後で振り返ることで、自分の話し方や質問の仕方を改善することができます。また、同僚や上司とロールプレイングを行うのも良いかもしれません。実際の営業シーンに近い状況で練習することができますよね。

ロボコールに学ぶ電話営業の教訓

電話営業の歴史を振り返ると、いくつかの重大な出来事がその手法や効果に大きな影響を与えてきました。特に注目すべきは、2018年にアメリカで発生した「ロボコール問題」。この問題は、前述したように電話営業の自動化が進む中で、消費者が大量の自動音声電話(ロボコール)に悩まされるようになった事件です。ロボコールは、消費者にとって迷惑であり、信頼を損なう要因となりました。この事件を通じて、電話営業の難しさが浮き彫りになり、消費者の電話に対する不信感が増大しました。

このような背景から、電話営業の効果を高めるためには、消費者の信頼を取り戻すことが重要になっています。ここで役立つのが、 信頼関係を構築するための心理学。「パターンインタラプト」という手法を紹介しましたが、これは相手のパターン化している思考を邪魔する心理学的テクニックです。ロボコール問題の影響で、消費者は「また営業電話だ」と感じるとすぐに電話を切る傾向が強まりました。パターンインタラプトを使えば、消費者の思考パターンを崩し、話を聞いてもらう時間を稼ぐことができるでしょう。たとえば、電話の冒頭で「おはようございます、〇〇社の××と申します」と短く一言だけにすることで、相手に営業電話だと悟られにくくなります。

同様に「類似性の法則」も活用できますね。共通点がある相手に対して、親近感を持ちやすくなることを指しますが、電話営業の際に、共通の地域や文化について話題にすることで、消費者の警戒心を和らげることができます。たとえば相手の出身地や趣味に関する情報を事前に調べ、それに基づいて会話を進めると良いでしょう。消費者は「この人とはフィーリングが合うかもしれない」と感じ、信頼関係を築きやすくなります。

「ザイオンス効果」はシンプルですが、とても強力な心理効果です。相手との共有時間や接触頻度が多いほど、好感度や評価が高まっていく効果です。ロボコール問題の影響で、消費者は一度の電話で信頼を築くことが難しくなりました。そこで、何度も接触できるよう売り込まないフォローをすることで、消費者に親しみを感じてもらい、信頼関係を築くことができます。

このように、電話営業の歴史から考えると、私たちは多くの教訓を得ることができます。

まとめ

電話営業やテレアポは、営業マンにとって非常に重要な手段ですが、その難しさもまた一方で大きな課題です。特に、消費者の電話に対する不信感が高まる中で、どのようにして信頼関係を築き、商談機会を増やすかがポイントでした。

本記事では、電話営業における心理学の活用方法について詳しく解説しました。信頼関係を構築するための「パターンインタラプト」や「類似性の法則」、そして「ザイオンス効果」など、具体的なテクニックを紹介しています。こうしたテクニックを当たり前に使えるようになれば、あなたのアポ獲得率は間違いなく向上するでしょう。

電話営業は一度の試みで成功することは少ないかもしれません。しかし、心理学を活用することで、少しずつ信頼関係を築き、顧客の関心を引き出すことができます。この記事が、あなたの電話営業の成功に少しでも役立つことを願っています。これからも、さまざまなテクニックを試しながら、営業活動を続けていってください。成功を祈っています。

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大学1年生と小学4年生の子育て真っ最中の営業マン。信念は、強い親父の背中を見せること。ダサくても、子どもに誇れないことはしない。子どもたちが未来を選べる環境づくりは、親父の役目。まっとうに、結果を出す営業ノウハウを発信中。泥くさく頑張る親父営業マンを全力で応援します!

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